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| 「児童ポルノ排除総合対策」の策定について(通達) |
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政府では、深刻化する児童ポルノ情勢にかんがみ、犯罪対策閣僚会議の下に「児童ポルノ排除対策ワーキングチーム」を設け、関係府省庁が連携し、児童ポルノを排除するための総合的な対策を検討してきたところ、同ワーキングチームにおいて「児童ポルノ排除総合対策」(以下「総合対策」という。)が取りまとめられ、7月27日開催の犯罪対策閣僚会議第15回会合において決定された。
総合対策は、児童ポルノを排除するため、今後3年間を目途に、政府として早急に行うべき施策を取りまとめたものであり、
○ 児童ポルノ排除に向けた国民運動の推進
○ 被害防止対策の推進
○ インターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の推進
○ 被害児童の早期発見及び支援活動の推進
○ 児童ポルノ事犯の取締り強化
○ 諸外国における児童ポルノ対策の調査等
を対策の柱として、国民、事業者、関係団体等との連携の下、各府省庁において施策を推進していくこととしている。また、それぞれの施策の実施状況について、おおむね1年ごとに検証しつつ、新たな情勢の変化に応じ柔軟かつ効果的な措置を講じていくこととしている。
各都道府県警察にあっては、既に「児童ポルノの根絶に向けた重点プログラムの策定について」(平成21年6月18日付け警察庁丙少発第22号、丙情対発第18号)に基づき児童ポルノ対策に取り組んでいるところであるが、今般の総合対策が決定された趣旨及び内容を踏まえ、児童ポルノ事犯の取締りを一層強化するほか、関係行政機関・事業者等とも連携した諸対策を協力に推進されたい。
なお、総合対策については、内閣府から各都道府県(青少年担当課扱い)及び各指定都市(青少年担当課扱い)に対しても通知される予定である。
総合対策及びその参考資料については、別添資料のとおりである。
・別添資料1 「児童ポルノ排除総合対策」の概要
・別添資料2 「児童ポルノ排除総合対策」
・別添資料3 「ブロッキングについて」 |
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| 記 |
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| 資料1 |
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| 資料2 |
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児童ポルノ排除総合対策
平成22年7月
犯罪対策閣僚会議 |
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目次
序 「児童ポルノ排除総合対策」の策定に当たって…1
1 児童ポルノの排除に向けた国民運動の推進
@ 協議会の開催…2
A 国民運動の効果的な推進…2
B ホームページによる広報・啓発活動…2
C 「児童虐待防止推進月間」における取組…2
D 「青少年の非行・被害防止全国強調月間」等における取組…2
E 「女性に対する暴力をなくす運動」における取組…2
F PTAを通じた保護者への働き掛け…2
G 国際的取組への参画…3
2 被害防止対策の推進
(1) 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備
@ 青少年インターネット環境整備法に基づく総合的な被害防止対策の推進…3
A 青少年保護に向けたメディアリテラシーの向上及び新たな取組に対する支援…3
B 官民の情報共有、ポータルサイトによる情報提供の推進…4
C フィルタリングの普及促進等のための施策…4
(2) 情報モラル等の普及の促進
@ インターネットの危険性及び適切な利用に関する広報・啓発活動…4
A インターネット安全教室の実施…4
B 学校及び家庭における情報モラル教育の充実…5
3 インターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の推進
@ 違法情報の排除に向けた取組の推進…5
A 事業団体によるガイドライン等の策定の支援…5
B 違法・有害情報相談センターの運営の支援…5
C 児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体との連携等を通じた児童ポルノ流通防止対策の推進…5
D ブロッキングの導入に向けた諸対策の推進…6
@ アドレスリストの迅速な作成・提供等実効性のあるブロッキングの自主的導入に向けた環境整備
A ISPによる実効性のあるブロッキングの自主的導入の促進
B 一般ユーザーに対する広報・啓発
4 被害児童の早期発見及び支援活動の推進
(1) 早期発見・支援活動
@ 関係職員の意識啓発…7
A 街頭補導等を通じた被害防止及び被害児童の早期発見・保護活動…7
B 被害児童に対する継続的支援の実施…7
C カウンセリング態勢の充実…7
D スクールカウンセラーを活用した教育相談体制の充実…7
E 児童相談所における児童等への支援や通報の実施…7
F 児童家庭支援センターの運営及び児童福祉施設における心理療法担当職員の配置…8
(2) 担当職員の能力の向上
@ 被害児童の心情に配意した聴取技法の検討…8
A 被害児童の支援の在り方に関する検討…8
B 性的被害児童等に対するケアに関する調査・研究及び研修の実施…8
C 心のケアに関する対応の充実…9
5 児童ポルノ事犯の取締りの強化
@ 悪質な児童ポルノ事犯の徹底検挙…9
A 悪質な関連事業者に対する責任追及の強化…9
B 外国捜査機関等との連携の強化…9
C 児童ポルノ関連事犯に対する厳正な対応…9
D 児童ポルノ事犯に関する捜査能力等の向上…9
E 検察官に対する研修の実施…10
6 諸外国における児童ポルノ対策の調査等
@ G8ローマ・リヨン・グループにおける「性的搾取による被害児童の支援」プロジェクトの推進…10
A 諸外国の児童ポルノ対策の調査…10
B 民間団体による取組への支援…10 |
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序 「児童ポルノ排除総合対策」の策定に当たって
我が国における児童ポルノ事犯は、検挙件数・被害児童数いずれも増加傾向にあり、平成21年は、検挙件数が前年比約4割増の935件、また、被害児童数が前年比約2割増の405人に達し、いずれも過去最多となっている。
これらの犯行形態を見ると、5割以上がインターネットを利用したものであり、特に児童ポルノ提供事犯・公然陳列事犯では、約9割に及んでいる。加えて、児童を守るべき実母による事犯や、児童が信頼を寄せている教員、保育士等による事犯も発生しており、極めて憂慮すべき事態に至っている。
国際的にも、児童ポルノは国境を越えて取り組むべき世界的な課題となっており、例えば、平成19年以来3年続けて、G8司法・内務大臣会議の総括宣言において、各国連携による児童ポルノ対策の推進の必要性に関する記述が盛り込まれている。さらに、平成21年7月の国連特別報告書による人身取引対策に関する訪日調査で児童ポルノ等への取組が不十分である旨指摘されるなど、人身取引対策の分野においても、児童ポルノ対策の推進が求められている。
そもそも児童ポルノは、児童の性的搾取・性的虐待の記録であり、児童の権利条約で保護された児童の権利を踏みにじるものである。しかも、児童ポルノが一旦インターネット上に流出すれば、その回収は事実上不可能であるため、被害児童の苦しみは将来にわたって続くこととなる。このような児童ポルノは絶対に許されるものではなく、蔓延・氾濫を食い止め、排除を進めていかなければならない。
その一方で、児童ポルノ問題を解決するためには、警察による取締りの果す役割は大きいものの、それだけでは決して十分ではなく、国民の理解と協力を得ながら、児童ポルノ被害の未然防止・拡大防止、被害児童の保護・支援を充実等を図っていくことが必要不可欠である。
こうしたことを踏まえ、政府において、この度、今後3年間を目途に、児童ポルノを排除するための総合的な対策として「児童ポルノ排除総合対策」を策定したものである。
この総合対策は、現行法を前提に、政府として早急に行うべき施策を取りまとめたものであり、これに基づき、国民、事業者、関係団体等との連携の下、各府省庁において施策を推進していくこととする。また、それぞれの施策の実施状況について、おおむね1年ごとに検証しつつ、新たな情勢の変化に応じ柔軟かつ効果的な措置を講じていくこととする。
1 児童ポルノの排除に向けた国民運動の推進
@ 協議会の開催
児童ポルノの排除に向けた国民運動を官民一体となって推進するため、関係府省庁、教育関係団体、医療関係団体、事業者団体、NPO等で構成する協議会を開催し、国民運動の推進方策について協議するとともに、その周知を図る。(内閣府)
A 国民運動の効果的な推進
児童ポルノを排除するため、キャッチコピー、シンボルマーク等を公募し、広報・啓発活動に活用するとともに、シンポジウムを開催するなどして国民運動の効果的な推進を図る。(内閣府、警察庁等)
B ホームページによる広報・啓発活動
内閣府のホームページにおいて、児童ポルノ排除対策ワーキングチームの活動状況について掲載するとともに、警察庁のホームページにおいて、「NO!!児童ポルノ」と題して、児童ポルノの定義、被害防止対策、検挙・被害状況、児童ポルノ被害の深刻さ等について掲載し、児童ポルノ排除対策に関する国民の理解の増進を図る。(内閣府、警察庁等)
C 「児童虐待防止推進月間」における取組
毎年11月に実施している「児童虐待防止推進月間」において、児童ポルノの問題を含む児童虐待問題に対する社会的関心を喚起するため、地方公共団体、関係団体等と連携した広報・啓発活動を推進する。(厚生労働省等)
D 「青少年の非行・被害防止全国強調月間」等における取組
毎年実施している「青少年の非行・被害防止全国強調月間」(7月)及び「全国青少年健全育成強調月間」(11月)において、児童ポルノ排除に係る広報・啓発活動の強化等を重点項目に追加し、児童ポルノ排除対策の必要性等について国民の理解の増進を図るため、関係機関・団体等と地域住民等が相互に協力・連携した広報・啓発活動を推進する。(内閣府、警察庁等)
E 「女性に対する暴力をなくす運動」における取組
毎年11月に実施している「女性に対する暴力をなくす運動」において、児童の性的搾取を含む女性に対する暴力を根絶するため、地方公共団体、女性団体その他の関係団体と連携・協力し、広報・啓発活動を推進する。(内閣府等)
F PTAを通じた保護者への働き掛け
関係省庁、PTAの全国組織等の間で緊密な連携を図り、PTAの全国大会、総会等の機会に、児童ポルノ排除の重要性について周知を図る。(文部科学省)
G 国際的取組への参画
我が国が2005年に締結した「児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書」の規定に基づき、児童の権利委員会に提出した政府報告に対する同委員会の最終見解の趣旨を踏まえ、同選択議定書の実施の確保に努める。また、2008年11月、リオデジャネイロで開催された「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」において取りまとめられた「児童の性的搾取の防止・根絶するためのリオデジャネイロ宣言及び行動の呼びかけ」について国内での周知に努める。(外務省、警察庁、法務省)
2 被害防止対策の推進
(1) 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備
@ 清祥円インターネット環境整備法に基づく総合的な被害防止対策の推進
インターネットの利用を通じて青少年が児童ポルノ事犯等の犯罪被害やトラブルに遭う事例が絶えないこと等にかんがみ、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするため、青少年インターネット環境整備法が制定されたところ、同法の施行状況の把握のために必要なデータ収集を目的として、青少年及びその保護者に対し、フィルタリングの認知度・利用度や改善ニーズ等を調査するとともに、改善ニーズ等を踏まえたフィルタリングソフトウェアの性能向上のための方策の検討及び利用の促進を図る。また、同法に基づき、関係府省庁、関係事業者等が連携して、青少年、保護者等に対する青少年のインターネットの適切な利用に関する広報・啓発、調査研究その他の対策を総合的に推進する。(内閣府、内閣官房、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、経済産業省)
A 青少年保護に向けたメディアリテラシーの向上及び新たな取組に対する支援
メディアの健全な利用の促進に必要となる情報の持つ意味を正しく理解し活用できる能力等(メディアリテラシー)の向上を図るため、コミュニティ型ウェブサイト(SNS(Social Networking Service))等の消費者発信型メディア(CGM(Consumer Generated Media))における安心・安全な利用に関する実態調査等の各種調査研究、メディアの特性に応じたメディアリテラシーに関する教材等の開発、関係者間の連携強化等を総合的に推進する。また、青少年がインターネットを介して犯罪に巻き込まれる事態を未然に防止するため、「利用者視点を踏まえたICT(Information and Communication Technology)サービスに係る諸問題に関する研究会」の提言を踏まえ、携帯電話利用者の年齢認証やメッセージ交換サービス監視等、CGM事業者の青少年保護に向けた新たな取組を支援する。(総務省)
B 官民の情報共有、ポータルサイトによる情報提供の推進
菅民を横断する違法・有害情報対策官民実務者ラウンドテーブルの連絡網により、政府の方策、民間の対処方策、違法・有害情報の事例、その対応策等について実務者間での情報共有を実現する。また、違法・有害情報への具体的対策や関係府省庁及び関係団体の取組等について、「インターネット上の違法・有害情報対策ポータルサイト」等を活用し、積極的な情報提供を実施する。(内閣官房、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、経済産業省等)
C フィルタリングの普及促進等のための施策
「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」の提言を踏まえ、フィルタリングサービスの普及促進に向けた更なる対策への支援を行う。
また、青少年や保護者、教職員等青少年を取り巻く関係者に対し、青少年のインターネット利用に係るリスクとその対策を周知することで、関係者全体のインターネットリテラシーの向上と、保護者等による実効的な自主対策を促進すべく、フィルタリングの認知・理解の向上を図るフィルタリング普及促進セミナーや簡易フィルタリングソフトの無償提供等を実施する。(総務省、経済産業省)
(2) 情報モラル等の普及の促進
@ インターネットの危険性及び適切な利用に関する広報・啓発活動
非行防止教室、サイバーセキュリティに関する講習等において、有害情報の例や被害事例の紹介等インターネットの利用に起因した青少年の犯罪被害の状況等に係る情報提供を行うとともに、氏名や電話番号等の書き込み、写真の送付等を安易に行わないなどのインターネット利用上の注意や、インターネットを介して知り合った者との安易な交際が危険をもたらす可能性があること等について周知を図るなど、学校、地域、家庭等に対し、インターネットの危険性及び適切な利用に関する広報・啓発活動を推進する。
また、インターネットの利用を通じた実際の被害事例と被害防止対策に関するリーフレット等を作成し、広報・啓発活動に活用する。(警察庁、内閣府、内閣官房、文部科学省、厚生労働省、経済産業省)
A インターネット安全教室の実施
経済産業省において、警察の協力の下、全国のNPO法人等と連携し、青少年、保護者、教職員等に対して、情報セキュリティや違法・有害情報対策について普及啓発を図るインターネット安全教室を実施する。(経済産業省、警察庁)
B 学校及び家庭における情報モラル教育の充実
インターネット上の違法・有害情報の問題等情報化の影の部分が児童に大きく影響を与えており、児童がインターネットを利用した犯罪に巻き込まれやすくなっていることから、新しい学習指導要領を踏まえ、学校における情報モラル教育の充実を図る。また、児童ポルノ事犯による被害のきっかけとなりやすいインターネットの危険性及びその適切な利用について扱った家庭教育に関する講座が各地域で実施されるよう促す。(文部科学省)
3 インターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の推進
@ 違法情報の排除に向けた取組の推進
サイバーパトロールやインターネット・ホットラインセンターに寄せられた通報を通じ、児童ポルノに係る違法情報の把握に努め、取締りを推進するとともに、サイト管理者等に対し、警察及びインターネット・ホットラインセンターから削除依頼等を実施する。また、インターネットを利用した児童ポルノ事犯の被疑者を検挙した場合等に、当該違法情報が掲載された掲示板のサイト管理者等に対し、当該違法情報の削除の要請及び同種事案の再発防止に努めるよう申入れ又は指導を行うほか、非行防止教室や情報セキュリティに関する講習等の場において、インターネット・ホットラインセンターの取組を紹介するなどして、インターネット上からの児童ポルノの削除の更なる促進を図る。(警察庁)
A 事業団体によるガイドライン等の策定の支援
「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する研究会」が平成18年8月に取りまとめた最終報告書の提言を受けて、事業団体((社)電気通信事業者協会、(社)テレコムサービス協会、(社)日本インターネットプロバイダー協会及び(社)日本ケーブルテレビ連盟)により策定された削除すべき児童ポルノの判断基準を含む「インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン」及び「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」の不断の見直しを支援する。(総務省)
B 違法・有害情報相談センターの運営の支援
各種ガイドライン等に基づく、プロバイダ等によるインターネット上の違法・有害情報への対策を強化するため、インターネット上の違法・有害情報に関して、プロバイダ等から個々の事案の対応について相談業務等を行う違法・有害情報相談センターの運営を支援する。(総務省)
C 児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体との連携等を通じた児童ポルノ流出防止対策の推進
インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)、検索エンジンサービス事業者及びフィルタリング事業者に対して児童ポルノが掲載されているウェブサイトに係るアドレスリストの作成、維持・管理、提供等を中立性の確保に配意しつつ民間のイニシアティブにて行うための児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体の設置に向けた作業を進め、同団体との官民連携した児童ポルノ流通防止対策を推進する。(警察庁、内閣官房、内閣府、総務省、経済産業省)
D ブロッキングの導入に向けた諸対策の推進
インターネット上の児童ポルノについては、児童の権利を著しく侵害するものであり、インターネット・ホットラインセンターが把握した画像について、サイト管理者等への削除要請や警察の捜査・被疑者検挙が行われた場合等でも、実際に画像が削除されるまでの間は画像が放置されるところであり、児童の権利を保護するためには、サーバーの国内外を問わず、画像発見後、速やかに児童ポルノ掲載アドレスを作成し、ISPによる閲覧防止措置(ブロッキング)を講ずる必要がある。そこで、このようなブロッキングについて、インターネット利用者の通信の秘密や表現の自由に不当な影響を及ぼさない運用に配慮しつつ、平成22年中を目途にISP等の関連事業者が自主的に実施することが可能となるよう、下記の対策を講ずる。(警察庁、総務省、内閣官房、内閣府、経済産業省)
@ アドレスリストの迅速な作成・提供等実効性のあるブロッキングの自主的導入に向けた環境整備
警察庁及びインターネット・ホットラインセンターからの情報提供により、児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体がプロバイダ等に対し迅速にアドレスリストを提供できるよう、実効性のあるブロッキング導入に向けた環境整備を実施する。
A ISPによる実効性のあるブロッキングの自主的導入の促進
ISPに対し、インターネット上の児童ポルノの流通を防止するためのブロッキングの重要性、有効性等について理解を求め、実効性のあるブロッキングの自主的導入を促進する。
B 一般ユーザーに対する広報・啓発
インターネットの一般ユーザーに対し、ブロッキングの重要性等について幅広く広報・啓発し、理解を求めるとともに、インターネット上の流通防止対策に対する国民意識の醸成を図る。
4 被害児童の早期発見及び支援活動の促進
(1) 早期発見・支援活動
@ 関係職員の意識啓発
地方公共団体等と連携し、児童ポルノ事犯について学校関係者、児童福祉関係者等の潜在的な被害児童に接する可能性のある職員の意識啓発を図り、児童ポルノ事犯による被害の早期発見に努める。(警察庁、厚生労働省、文部科学省)
A 街頭補導等を通じた被害防止及び被害児童の早期発見・保護活動
警察において、街頭補導時における積極的な声掛け及び補導並びに少年相談受理時における専門職員等による適切な対応等により、児童ポルノ事犯による被害の未然防止及び被害児童の早期発見・保護に努める。(警察庁)
B 被害児童に対する継続的支援の実施
警察において、被害児童の精神的打撃の軽減を図るため、少年補導職員、少年相談専門職員等により、個々の被害児童の特質に応じた計画的なカウンセリングの実施や、家庭、学校等と連携した環境調整等による継続的な支援を行う。(警察庁、文部科学省、厚生労働省、法務省)
C カウンセリング態勢の充実
警察において、被害児童の精神的打撃の軽減を図るための継続的な支援は、担当職員のみでは対応が困難な場合も多いことから、あらかじめ臨床心理学、精神医学等の専門家を委嘱しておくなど、必要に応じて部外の専門家の助言を受けることができる態勢を整備する。なお、性犯罪被害者の負担軽減及び捜査の適確な推進のため、性犯罪被害者に対する各種支援及び捜査を一つの場所で行う平成22年度モデル事業に係る性犯罪被害者対応拠点に性犯罪被害児童が来所した場合は、これらの専門家と連携して適切な対応を行うよう努める。(警察庁)
D スクールカウンセラーを活用した教育相談体制の充実
児童の臨床心理に関して高度に専門的な知識や経験を有するスクールカウンセラーを配置し、教育相談体制の整備を支援することで、児童ポルノ事犯の被害に遭った児童の早期発見等に資する。また、児童ポルノ事犯を含む事件・事故や災害によって心のケアが必要になった児童への対応として、学校へのスクールカウンセラーの緊急派遣に係る支援を行う。(文部科学省)
E 児童相談所における児童等への支援や通報の実施
児童相談所において、性的虐待、児童ポルノ事犯による被害等により心身に有害な影響を受けた児童に関する相談があった場合に、次の支援を実施する。
・ 児童心理司によるカウンセリングや児童福祉司による指導・援助
・ 緊急的な保護を必要とする場合における一時保護
・ 医療的なケアが必要な場合における病院等の専門機関の斡旋
・ 児童の生活の立て直しが必要な場合における児童福祉施設への入所措置
また、児童相談所への相談の過程で、児童の意思等を確認した上で、警察への通報を実施する。(厚生労働省、警察庁)
F 児童家庭支援センターの運営及び児童福祉施設における心理療法担当職員の配置
児童家庭支援センターの運営において、関係機関と連携し、児童ポルノ事犯による被害に係る相談と支援を実施するほか、心理的療法を必要とする児童への心理療法担当職員による治療、指導等を実施する。また、児童養護施設、乳児院、児童自立支援施設及び母子生活支援施設に心理療法を行う職員を配置し、虐待等による心的外傷のため心理療法を必要とする児童に、遊戯療法やカウンセリング等の心理療法を実施する。(厚生労働省)
(2) 担当職員の能力の向上
@ 被害児童の心情に配意した聴取技法の検討
警察庁に設置された心理学の専門家等からなる「被害児童からの客観的聴取技法に関する研究会」において、被害児童の心情や特性を理解し、二次的被害の防止に配慮しつつ、被害児童から得られる供述の証拠能力及び証明力を確保する聴取技法等について検討を行う。平成22年度に具体的な聴取技法を検討し、23年度に聴取技法のマニュアル、DVD等を作成するなど検討を進める。また、確立した聴取技法を都道府県警察に普及させるため、被害児童からの事情聴取の担当官を対象に聴取技法の必要性及び効果に関する講義や具体的事例に即した聴取手順のロールプレイ等を内容とする研修会を開催する。(警察庁)
A 被害児童の支援の在り方に関する検討
警察庁において、都道府県警察の被害児童支援担当者に対する研修を実施し、カウンセリングの実施方法、事案発生時の適確な対処方法、被害からの立ち直り支援方策等について、児童ポルノ事犯等の特性を踏まえた被害児童支援の在り方の検討を行うとともに、被害児童支援担当者の能力向上を図る。平成22年度中に被害児童支援に関する事例を収集し、23年度に立ち直り支援に係る事例集を作成する。(警察庁、法務省、厚生労働省)
B 性的被害児童等に対するケアに関する調査・研究及び研修の実施
性的被害児童の早期発見や、性的虐待を受けた児童に対する児童相談所における聞き取り方法等について、それぞれ調査・研究を実施する。また、子どもの虹情報研修センターにおいて、児童相談所職員等を対象に性的虐待への対応について研修を実施する。(厚生労働省)
C 心のケアに関する対応の充実
児童の日常的な心身の健康状態を把握し、健康問題等について早期発見・早期対応を図るため、養護教諭及び一般の教職員を対象とした効果的な健康観察及び健康相談の方法等に関する指導参考資料を作成するとともに、養護教諭、学校に派遣されている臨床心理士等を対象にしたシンポジウムを開催する。(文部科学省)
5 児童ポルノ事犯の取締りの強化
@ 悪質な児童ポルノ事犯の検挙徹底
サイバーパトロールの一層の推進やインターネット・ホットラインセンター及び匿名通報ダイヤルからの各種情報の積極的な活用を図るほか、都道府県警察間の合・共同捜査の積極的推進、児童ポルノ愛好者グループの実態解明等を通じ、低年齢児童の性犯罪被害を伴う児童ポルノ製造事犯等に重点を置いた捜査を強化し、悪質な児童ポルノ事犯の検挙の徹底を図る。(警察庁)
A 悪質な関連事業者に対する責任追及の強化
児童ポルノ提供等に加担しているサイト管理者、サーバー管理者といった悪質な関連事業者について、当該関連事業者に対する指導・警告を徹底し、風営適正化法に基づき当該サーバー管理者等に対して勧告を行うほか、刑事責任の追及を図るなど、悪質な関連事業者に対する責任追及を強化する。(警察庁)
B 外国捜査機関等との連携の強化
国際刑事警察機構(ICPO)、G8ローマ・リヨン・グループ等の国際的な取組への積極的な参加や、米国連邦捜査局(FBI)が実施する研修への職員の派遣、平成14年から実施している東南アジアにおける児童の商業的・性的搾取対策に関するセミナー及び捜査官会議の拡充等を通じて、外国捜査機関等との情報交換や国際捜査協力のための調整を行うとともに、連携態勢の強化を図る。(警察庁)
C 児童ポルノ関連事犯に対する厳正な対応
児童ポルノ事犯に対しては、国外犯規定を含め、児童買春・児童ポルノ禁止法等の積極的な適用を通じて、厳正な科刑の実現に努める。(法務省)
D 児童ポルノ事犯に関する捜査能力等の向上
警察庁において、平成22年4月に児童ポルノ対策官の設置や画像分析体制の拡充等体制の強化が図られたところであるが、こうした体制の下、被害児童の特定や犯行手口の解明等、児童ポルノ画像等のより綿密な分析を行うとともに、合・共同捜査を積極的に推進するなどして、全国警察の児童ポルノ事犯捜査力の向上を図る。また、各都道府県警察におけるファイル共有ソフト利用事犯を含む児童ポルノ事犯に対する捜査能力の向上を図るため、平成22年度から児童ポルノ事犯捜査に特化した専科教養を実施する。(警察庁)
E 検察官に対する研修の実施
検察官に対して、その経験年数等に応じた各種研修において、児童に対する配慮等に関する講義を実施するなどして、児童ポルノ事犯に関する知識の取得に努める。(法務省)
6 諸外国における児童ポルノ対策の調査等
@ G8ローマ・リヨン・グループにおける「性的搾取による被害児童の支援」プロジェクトの推進
G8各国のテロ対策専門家及び国際組織犯罪対策専門家で構成されるG8ローマ・リヨン・グループにおいて、平成22年2月、「性的搾取による被害児童の支援」に関する新規プロジェクトを提案し、承認されたところであり、今後、本プロジェクトを推進していくことで、各国における性的搾取による被害児童支援対策の好事例集の作成を行う。(警察庁)
A 諸外国の児童ポルノ対策の調査
G8を中心とした諸外国における児童ポルノ関連法規制について、在外公館を通じて調査を行ってきているところ、法規制に関する動向及びインターネット上のブロッキング等の新たな規制を始めとする諸動向に関する調査を継続し、定期的に結果を取りまとめる。(外務省、警察庁、法務省)
B 民間団体による取組への支援
「安心ネットづくり促進協議会」等において実施する諸外国のブロッキング等流通・閲覧防止対策に関する調査等の実施に向けた取組への支援を行う。(総務省) |
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| 資料3 |
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