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| 情勢の変化に対応したインターネット利用児童ポルノ事犯の取締り等の強化について(通達) |
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警察では、平成21年6月に策定した「児童ポルノの根絶に向けた重点プログラム」、昨年7月に犯罪対策閣僚会議で決定された「児童ポルノ排除総合対策」等に基づく諸対策を推進し、その結果、児童ポルノ事犯の送致件数等が大幅に増加するなどの成果もみられるところであるが、携帯電話やスマートフォンの撮影機能の充実、コミュニティサイト利用者の増加等もあり、我が国の児童ポルノ情勢は依然として深刻な状況にある。
児童ポルノを巡っては、本年4月から、一部インターネット・サービス・プロバイダ(以下「ISP」という。)によるブロッキングが導入されたところである。また、「インターネット上の違法・有害情報の排除総合対策の推進について」(平成23年6月3日付け警察庁丙情対発第12号ほか)等におり、児童ポルノに係るものを含むインターネット・ホットラインセンター(以下「IHC]という。)の違法情報については、「全国協働操作方式」により、全国警察が一体となって効率的に捜査を推進することとされたところである。
しかしながら、一方で、ブロッキングの影響を受けないファイル共有ソフト(以下「P2P」という。)を利用して児童ポルノ画像を交換する犯行形態が従来にもまして増加することが予想されるほか、児童ポルノ愛好者グループによる低年齢児童を対象とした児童ポルノの製造及び会員制サイト等を用いた情報交換、プロバイダや拠点を短期間で頻繁に変える収益目的の組織的な児童ポルノ販売事犯等については、ブロッキングや「全国協働捜査方式」の実施にもかかわらず、引き続き悪質かつ巧妙な手口で敢行されている状況にある。
そこで、各都道府県警察にあっては、児童ポルノをめぐる諸情勢を踏まえつつ、引き続き敢行されるものとみられる悪質・巧妙な児童ポルノ事犯の取締り等を一層強化するため、下記の取組を推進されたい。
なお、本通達の実施をもって、「インターネットを利用した児童ポルノ事犯に対する取締り等の推進について」(平成22年6月2日付け警察庁丙少発第19号)は廃止する。 |
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| 記 |
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1 児童ポルノ事犯の取締りの強化
(1) 全国警察が一体となった効果的な取締り
インターネット上の児童ポルノ事犯の巧妙化・悪質化に踏まえ、取締りの実効を上げるべく、以下の方策により、全国警察が一体となったより効率的かつ効果的な取締りを推進する。
ア 「PSP利用事犯に対する全国連携型取締り」の実施
今後さらなる増加が予想されるP2P利用事犯について、より効率的な取締りを推進するため、卯木のとおり、「P2P利用事犯に対する全国連携型取締り」を実施する。
(ア) 警察庁少年課は、情報技術解析課と連携して、個々のP2Pにより児童ポルノを拡散させている特に悪質な者に関する分析を推進し、その情報を関係都道府県警察に提供するものとし、提供を受けた都道府県警察は、当該情報を活用して関係違反者の検挙に努める。
(イ) 各都道府県警察は、P2P専用端末等を活用してP2Pに係るサイバーパトロールを積極的に行い、判明した児童ポルノ事犯について確実に検挙するよう疎めるものとする。その際、当該事犯の被疑者の居住地が遠隔の都道府県んであることが判明した場合は、日知用に応じ、当該居住地を管轄する都道府県警察等に引き継ぎ、迅速かつ効率的な検挙に努める。
イ 低年齢児童を狙う児童ポルノ愛好者グループの実態加盟及び徹底検挙
ウェブサイトを通じるなどして形成された児童ポルノ愛好者グループ、とりわけ低年齢児童を対象とした児童ポルノ愛好者グループ(以下「低年齢児童ポルノ愛好者グループ
という。)については、会員制サイトや個人メール等を利用して秘密裡に情報交換等を行うため、その把握は容易ではないが、過去の検挙事からも、メンバーの中に、強姦、強制わいせつ等に当る手段で新たな児童ポルノを製造しようとする者が存在する可能性が高く、早期にその実態を解明してメンバーの検挙を図らなければ、悲惨な低年齢児童の被害が継続又は拡大するおそれがある。
そこで、次の方策により、低年齢児童ポルノ愛好者グループの実態解明及び徹底検挙を図る。
(ア) 各都道府県警察は、児童ポルノ事犯の操作その他の警察活動を通じて低年齢児童ポルノ愛好者グループに関する情報収集お行い、断片的情報を含め、得られた情報を警察庁に報告するものとする。
(イ) 警察庁は、都道府県警察から報告された情報その他の情報を集約・分析し、低年齢児童ポルノ愛好者グループの実態解明に資する情報を関係都道府県警察に提供するものとする。
(ウ) 関係都道府県警察は、警察庁による指導・調整の下、(ア)及び(イ)の情報を基に低年齢児童ポルノ愛好者グループのメンバーに関する捜査を推進し、違法行為を行ったメンバーの徹底検挙に努めるものとする。
ウ DVD販売グループ等に対する取締りのの強化
ウェブサイト上で広く閲覧が可能な児童ポルノについては、DVD販売サイトや動画販売サイトが大きな割合を占めるに至っているが、収益を目的とするDVD販売グループや動画販売者(以下「DVD販売グループ等」という。)においては、警察の捜査を警戒し、プロバイダや販売拠点等を頻繁に変更する」など、犯行手口が巧妙化している現状にある。
そこで、各都道府県警察にあぅては、IHC情報に係る「全国協働捜査方式」を的確に実施するとともに、買受け捜査等を積極的に推進し、DVD販売グループ等に対する取締りを強化すること。その際、サイバー犯罪捜査情報等共有システムの登録の徹底等により都道府県警察間の捜査競合の早期把握に努めるとともに、児童ポルノ画像児童検索システム(CPASS)等を活用した効率的な捜査の推進に努めること。
また、DVD販売グループ等の実態の全容解明に努め、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成11年法律第136号)の適用や課税通報の実施等により、児童ポルノ事犯に係る収益の剥奪を徹底すること。
(2)取締りにおける配意事項
ア 積極的な合・共同捜査等の実施
特にインターネット利用児童ポルノ事犯の取締りにおいては、警察庁において各都道府県警察からの情報を集約・分析した上で、必要に応じ、合・共同捜査の実施を指導・調整することとしており、各都道府県警察は、関係都道府県警察及び警察庁と緊密な連携に努め、積極的に合・共同捜査を実施すること。
イ 関連事業者に対する刑事責任の追及等
インターネット利用児童ポルノ事犯の捜査においては、当該事犯へのサイト管理者、サーバー管理者等関連事業者の関与に常に着目し、自らが管理する掲示板に児童ポルノの投稿を促したり、削除依頼を受けながら敢えて児童ポルノ画像を放置しているなどの悪質な事業者に対しては、共同製版、幇助犯等の適用を視野に入れた積極的な捜査を行い、その刑事責任を追及するとともに、事案に応じ、関連事業者に対する再発防止や児童ポルノの流通防止に係る指導等の措置を的確に実施すること。
ウ 国際連携による国外犯事犯等の捜査
国外における児童ポルノ製造事犯や海外サーバーを悪用したインターネット利用事犯等国際的な児童ポルノ事犯の取締りを推進するため、警察庁において、国際刑事警察機構(ICPO)や外国捜査機関等との情報交換、国際捜査共助等の協力を進めているところであるので、各都道府県警察にあっては、これら国際的な児童ポルノ事犯についての情報収集に配意し、端緒を得た場合には、警察庁と緊密に連携し、検挙に向けた積極的な捜査を行うこと。
2 流通・閲覧防止措置の徹底
児童ポルノによる児童の被害の継続・拡大を防ぐため、特にインターネット上の児童ポルノ画像の流通・閲覧防止対策が重要であることは言うまでもないところであり、ISPによるブロッキングの実施を踏まえ、警察としても、児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体に児童ポルノ情報の提供を行うなど可能な限りの協力を行うとともに、サイト管理者等に対する迅速な削除依頼等流通・閲覧防止のための措置を徹底する必要がある。
そこで、各都道府県警察にあっては、サイバーパトロール等でインターネット上の児童ポルノを把握したときは、捜査に支障がない限り速やかにサイト管理者等に対して削除依頼を行うとともに、当該措置について、警察庁少年課に確実に報告すること。
3 被害児童支援等の的確な実施
児童ポルノ事犯の被害児童に対しては、「犯罪被害者支援要綱」(平成23年7月7日)及び「被害少年保護活動の推進について」(平成23年7月7日付け警察庁丙少発第18号)等を踏まえつつ、被害児童の精神的負担等に配慮した事情聴取を行うとともに、被害児童の事情等に応じ、関係都道府県警察や警察の関係部門、部外の関係機関や専門家、ボランティア等と連携した適切な継続的支援を実施すること。 |