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| 事件番号 |
昭和35(あ)2945 |
| 事件名 |
贓物故買、古物営業法違反 |
| 裁判年月日 |
昭和37年 5月 4日 |
| 法廷名 |
最高裁判所第二小法廷 |
| 裁判種別 |
判決 |
| 判例集等巻・号・頁 |
刑集 第16巻5号510頁 |
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| 原審裁判所名 |
高松高等裁判所 |
| 原審事件番号 |
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| 原審裁判年月日 |
昭和35年12月 1日 |
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| 判示事項 |
1 古物営業法第17条にいう「その都度」の意義。
2 同法第29条、第17条の法意
3 同法第29条、第17条の合憲性 |
| 裁判要旨 |
1 古物営業法第17条にいう「その都度」とは、「そのたびごとに」の意に解すべきである。
2 同法第29条で処罰する「同法第17条の規定に違反した者」とは故意に所定の記載をしなかった者ばかりでなく、過失により記帳しなかった者をも包含する法意であると解すべきである。
3 同法第29条、第17条の規定は、憲法第38条に違反しない。 |
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| 主 文 |
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 |
| 理 由 |
弁護人▲▲▲▲の上告趣意について。
所論は事実誤認、量刑不当の主張であって適法な上告理由には当らない。
弁護人●●●●●の上告趣意第一点について。
所論は事実誤認、単なる法令違反の主張であって適法な上告理由に当らない。(なお、古物営業法17条にいう「その都度」とは、「そのたびごとに」の意に解するべきである。又同法29条で処罰する「同法第17条の規定に違反した者」とは、その取締る事柄の本質にかんがみ、故意に帳簿に所定の事項を記載しなかったものばかりでなく、過失によりこれを記載しなかったものをも包含する法意であると解した原審の判断は正当である)
同第二点について。
所論は違憲をいうけれども、憲法38条1項は、何人も自己が刑事上の責任を問われる虞のある事項について供述を強要されないことを保障したものと解すべきことは当裁判所の判例とするところである(昭和27年(あ)第838号、同32年2月20日大法廷判決、集11巻2号802頁)。そして古物営業法17条が、古物商に対して、古物取引の年月日、その品目、数量及び特徴、相手方の住所、氏名、職業、年令及び特徴等を所定の帳簿に記載すべきことを命じ、これが違反に対して同法29条が罰則を定めていることは所論のとおりであるが、同法がこれらの記帳を命じているのは、当該古物商の古物取引の実情を明確にし、その取引の適正を担保しようとするものであって、それ自体、何等刑事上の責任を問われる虞のある事項について供述を強要しているわけのものではない。
従って右規定そのものは、憲法38条1項に違反するものではないことは当裁判所の判例の趣旨とするところである(前記大法廷判例及び昭和27年(あ)第423号、同31年7月18日大法廷判決、集10巻7号1173頁参照)。それ故所論違憲の主張を採るを得ない。
また、記録を調べても刑訴411条を適用すべきとは認められない。
よって同408条、181条1項本文により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 |
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| 昭和37年5月4日 |
| 最高裁判所第二小法廷 |
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裁判長裁判官 |
藤田 八郎 |
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裁判官 |
池田 克 |
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裁判官 |
河村 大助 |
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裁判官 |
奥野 健一 |
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裁判官 |
山田 作之助 |
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