従来、公衆浴場法、興行場法、旅館業法における「業として」の解釈については、(1)不特定多数人を対象とすること、(2)反復継続の意志をもつていること、(3)対価をとることの三つの要件を必要とするものであるとして来たのであるが、これは本来の「業」の意味に対して行政慣例その他によって、三つの制限を附し、狭く解釈して来たものである。
然し乍ら、この狭い解釈によつては、公衆衛生上種々不十分の点が生じているので法務府と打ち合せの結果これを本来の意味にもどし、営業関係三法律の施行を一段と徹底させ、公衆衛生の向上増進を図ることとした。
法律上業としてある行為をするという場合その業の本来の意味は、その行為を反復継続して行うということである。即ち、ある行為を反復継続して行う場合には、その行為を業として行うということになる。従つて、相手方が不特定多数であること、対価を受けること等は本来の「業」の概念上必要ではない。
但し、業として行うという場合には、その行為が社会性をもつて行われることが必要であつて、単に個人の消費生活上反復継続して行われるような場合や個人自身の娯楽としてなされる等の場合は含まれない。即ち個人の家庭に浴場を設け、又は個々人の家庭において親類友人等を宿泊させること等は「業として」行うとはいえない。
又、営業関係法律中には、「興行場営業」「営業者」「営業の停止」等の文言を用いているので営利の目的を有する「営業」のみがこれ等の法律の適用を受けるようにも解されるが、これはこれ等の法律で単に「業として興行場営業を経営すること」を興行場営業」ということに定義づけ、「浴場業を営む者」を「営業者」ということに定義づけたにすぎない。
従つて今後、ある行為が反復継続して行われ而もその行為が社会性をもつておこなわれる場合、これを業として行うと解釈し、営業三法は、これに従い左記のように取り扱うこととされたい。 |
|
| 記 |
|
| 一 …(略)… |
二 興行場について
興行場法についても大体同様であつて、文化会館等と称して特定の人に映画等を見せる施設や会員制度のもの等特定人を相手とするもの或いは又は無料奉仕的なものにも適用される。但し、工場、事業場等で従業員の福利施設として興行場を設けた場合は勿論適用されるのであるが、工場の中に設けられた集会所その他既設建物を利用して映画等を行う場合は、毎月四、五日以上反復継続して行うような場合以外は興行場としての許可は不要である。 |
| 三 …(略)… |
| 四 なお、従来の解釈により法の適用外とみなされ、許可なくして行つていたものについては、今回解釈が本来の意味にもどり、従つて、許可を受けなければならない事となつた旨の公示をなして周知徹底をはかり、大体、三乃至四カ月の期間内に許可を受けさせなければならない。 |