| 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について(通達) |
| 警察庁丙保発第3号、警察庁丙少発第2号/平成28年2月1日/警察庁生活安全局長から各管区警察局長、各都道府県警察の長宛(参考送付先)各附属機関の長 |
| 第36 報告及び立入りについて(法第37条関係) |
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第36 報告及び立入りについて(法第37条関係) 1 一般的留意事項
立入り等は調査の手段であり、その実施に当たっては、国民の基本的人権を不当に侵害しないように注意する必要がある。
(1) 立入り等の限界
立入り等の行使は、法の施行に必要な限度で行い得るものであり、行政上の指導、監督のため必要な場合に、法の目的の範囲内で必要最小限度で行わなければならない。したがって、犯罪捜査の目的や他の行政目的のために行うことはできない。例えば、経営状況の把握のために会計帳簿や経理書類等の提出を求めたり、保健衛生上の見地から調理場の検査を行うこと等は、認められない。
また、立入り等の行使に当たっては、いやしくも職権を濫用し、又は正当に営業している者に対して無用な負担をかけるようなことがあってはならない。
(2) 報告又は資料の提出の要求と立入りの関係
立入りは、直接営業所内に入るものであるため、営業者にとって負担が大きいので、報告又は資料の提出で行政目的が十分に達せられるものについては、それで済ませることとし、この場合には立入りは行わない。
2 報告又は資料の提出の要求
(1) 報告又は資料の提出の要求の対象となる営業者
法第37条第1項は、「風俗営業者」、「性風俗関連特殊営業を営む者」、「特定遊興飲食店営業者」、「第33条第6項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者」、「深夜において飲食店営業(酒類提供飲食店営業を除く。)を営む者」及び「接客業務受託営業を営む者」に対して報告又は資料の提出を求めることができる旨規定している。
したがって、許可を受けずに風俗営業を営む者や食品衛生法上の許可を受けずに「設備を設けて客に飲食をさせる営業」を営む者に対しては、報告又は資料の提出を求めることができない。一方、「性風俗関連特殊営業を営む者」については、届出書を提出した者に限られていないことから、届出書を提出していない者に対しても報告又は資料の提出を求めることができる。
(2) 無店舗型性風俗特殊営業等に対する報告又は資料の提出の要求
無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、無店舗型電話異性紹介営業及び接客業務受託営業については、営業が行われる地域が一の都道府県の区域内に限定されないことから、法の施行に必要な限度においては、その事務所の所在地を管轄する公安委員会以外の公安委員会であっても、報告又は資料の提出を求めることができる。
(3) 報告又は資料の内容及び種類
報告又は資料の提出を求めることができる場合における内容及び種類は、次のものに限られる。
ア 当該営業に関連する報告又は資料に限り、営業者等の私生活に関するもの及び兼業している営業がある場合における専ら当該兼業に係る営業に関するものには及ばない。
イ 法の目的の範囲内で行う指導監督等のために必要な報告又は資料に限り、法の目的に関係のない他法令の遵守状況等に関するものには及ばない。
ウ 法に基づく指導、監督等を行うため必要最小限度のものに限る。
(4) 報告又は資料の提出の回数
報告又は資料の提出を求めることができる回数については、この法律の施行に必要がある場合につき、原則として1回とする。
ただし、その提出要求が十分に履行されない場合は、更に追加要求することを妨げるものではない。
(5) 報告又は資料の提出の要求手続等
ア 当該要求は、通常は文書で行うものとする。
イ 資料の提出を受ける場合にあっては、相手方にその返還の要否を確認し、返還を要する資料については、できる限り速やかに返還することが必要である。
3 立入り
(1) 立入りの対象となる営業所等
法第37条第2項第1号及び第5号は、「風俗営業の営業所」及び「特定遊興飲食店営業の営業所」に立ち入ることができると規定しており、許可を受けた風俗営業及び特定遊興飲食店営業の営業所に限られていないことから、無許可の風俗営業及び特定遊興飲食店営業の営業所であっても立ち入ることができる。同様に、「店舗型性風俗特殊営業の営業所」(同項第2号)、「第2条第7項第1号の営業の事務所、受付所又は待機所」(法第37条第2項第3号)、「店舗型電話異性紹介営業の営業所(同項第4号)及び「第33条第6項に規定する酒類提供飲食店営業の営業所」(法第37条第2項第6号)についても、届出書を提出したものに限られていないことから、これらの営業の営業所、事務所、受付所又は待機所であれば、無届のものであっても、立ち入ることができる。
なお、法第2条第7項第1号の営業については、その事務所の所在地を管轄する公安委員会に届出書を提出すれば、他の都道府県の区域においても当該営業を営むことができるものであるから、当該営業の「事務所、受付所又は待機所」に立ち入ることができる警察職員は、その所在地を管轄する都道府県警察の職員に限られない。
「第33条第6項に規定する酒類提供飲食店営業」(法第37条第2項第6号)とは、午後10時から翌日の午前6時までの時間においても営業している酒類提供飲食店営業であり、警察職員が立ち入る時間も、通常はこの時間となる。
「第33条第6項に規定する酒類提供飲食店営業」以外の「設備を設けて客に飲食をさせる営業」(法第37条第2項第7号)とは、食品衛生法上の許可を受けた「飲食店営業」(法第2条第13項第4号)に限られていないことから、食品衛生法上の許可の有無にかかわらず、その営業所に立ち入ることができる。ただし、立ち入ることができるのは、「深夜」(午前0時から午前6時までの時間。法第13条第1項)において、かつ、現に「営業している」営業所に限られる。
(2) 立入りの手続及び方法
ア 立入りは、公安委員会の定めるところにより行い、事後において報告書を作成し、これにより幹部に報告するとともに、これを保存する必要がある。
イ 個室又はこれに類する施設内に立ち入る場合にあっては、事前にノックするなどにより客が在室しないことを確認する必要がある。
ウ 調査の必要上質問を行う場合にあっては、原則として、営業者、従業者等営業者側の者に対する質問に限り、客に対する質問は、営業者側への質問で十分に目的を達しない場合に限り行うこととし、通常は行わないようにすることとする。
エ 営業時間内に立入りを行う場合には、できるだけ営業の妨げとならないようにする必要がある。 |
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| 警察庁のホームページから引用 |