【第12中1から7まで】 1 一般的留意事項
(1) 許可申請書類の記載は、簡潔で必要十分なもので足りることとするとともに、審査事務の合理化、審査期間の短縮化を図り、申請者に無用の負担をかけることのないように努める必要がある。
(2) 風俗営業の許可は、風俗営業の種別ごとに受けるものであり、異なる種別の風俗営業を営もうとする場合には、新たに他の種別の風俗営業の許可を受けなければならない。また、法は、営業所の構造又は設備の基準、年少者の客としての営業所への立入り、遊技場営業者の禁止行為について、風俗営業の種別に応じて必要な規制をしていることから、同じ者が同一の営業所において異なる種別に係る許可を重ねて受けることは原則としてできない(法第3条第1項、第5条第1項第3号及び第9条第3項第1号参照)。
(3) 風俗営業と性風俗関連特殊営業は、法上、全く異なる規制を受けるものであり、風俗営業の許可を受けた者は、当該許可に係る営業所において性風俗関連特殊営業を営むことはできない。 例えば、店舗型性風俗特殊営業を行う意思をもって、その営業が禁止されている地域において、法第2条第1項第1号に規定する風俗営業の許可を受け、後に営業所の構造又は設備を変更するなどして、店舗型性風俗特殊営業を営んだ場合には、法第52条第4号(無届営業)だけでなく、法第49条第2号(偽りその他不正の手段により法第3条第1項の許可を受けたこと)、法第49条第5号又は第6号(禁止区域等営業)や法第50条第1項第1号(構造又は設備の無承認変更)の罪に該当することとなる。
(4) 風俗営業と特定遊興飲食店営業は異なる規制を受けるものであるが、例えば、深夜以外の時間帯に風俗営業を営み、その後営業の継続性を完全に絶った上で深夜に特定遊興飲食店営業を営むことは否定されないことから、同一の営業所について風俗営業の許可と特定遊興飲食店営業の許可を重ねて受けることは可能である。
2 営業所の意義
「営業所」(法第3条第1項)とは、客室のほか、専ら当該営業の用に供する調理室、クローク、廊下、洗面所、従業者の更衣室等を構成する建物その他の施設のことをいい、駐車場、庭等であっても、社会通念上当該建物と一体とみられ、専ら当該営業の用に供される施設であれば、「営業所」に含まれるものと解する。
3 風俗営業の営業所の同一性の基準
風俗営業については、次のような行為が行われたときに営業所の同一性が失われるものとし、この場合には新規の許可を要する。
(1) 営業所の建物(当該営業の用に供される部分に限る。以下同じ。)の新築又は移築
(2) 営業所の建物の床面積が従前の2倍を超えることとなる増築
(3) 営業所の建物内の客の用に供する部分の改築
(注) 「新築」とは、建築物の存しない土地(既存の建築物の全てを除去し、又はその全てが災害等によって滅失した後の土地を含む。)に建築物を造ることをいう。
「移築」とは、建築物の存在する場所を移転することをいう。
「増築」とは、一の敷地内の既存の建築物の延べ面積を増加させること(当該建築物内の営業所の延べ面積を増加させる場合及び別棟で造る場合を含む。)をいう。
「改築」とは、建築物の一部(当該部分の主要構造部の全て)を除却し、又はこれらの部分が災害等によって消滅した後、これと用途、規模、構造の著しく異ならないものを造ることをいう。
「主要構造部」とは、壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいう。ただし、間仕切り、最下階の床、屋外階段等は含まない(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第5号参照)。
4 営業所の所在地を管轄する公安委員会
複数の都道府県において営まれる移動風俗営業(フェリー、バス、列車等常態として移動する施設において営まれる風俗営業をいう。以下同じ。)を営もうとする者が風俗営業の許可を受けようとする場合には、当該営業を主として営むことを予定している地域を管轄する一の都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受ければ足りるものとして取り扱うものとする。
なお、移動風俗営業に係る営業所は、当該移動風俗営業に係るフェリー内の一室、バス又は列車の一車両等であると解されるので、フェリー内の各室、バス又は列車の各車両等のそれぞれにつき一の許可を要する。
5 許可の条件
許可時の客観的事情に照らし、許可をするに当たって条件を付する必要がある場合には、必要な条件を付して許可をすることができるほか、許可後に客観的な事情に変化があった場合において、周囲の風俗環境の調和を図ること等のために、許可後においても、随時、条件の付加又は変更ができる。
許可に条件を付し、又はこれを変更することができるのは、法令又は条例を遵守していても、具体的な事情により、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為が行われるおそれがある場合に限られ、付される条件も、これらの行為を防止するため、必要最小限度のものでなければならない。
条件が必要最小限度であるためには、次の要件を満たす必要がある。
@ 条件が、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為に関するものであること。
A その条件を付したことにより、そのような行為を防止することができること。(合理的な関連性があること。)
B 比例原則の範囲内であること。
C 営業者が受忍すべき範囲のものであり、営業者に無用の負担をかけるものでないこと。
なお、許可時に条件を付する場合は、許可証の表面に営業の種類を記載するほか、許可証の裏面に記載するものとする。したがって、許可後に新たに条件を付し、又はこれを変更する場合は、風俗営業者から許可証の提出を求めその表面又は裏面の記載の加除訂正を行うものとする。
(1) 旅館業を営む者に対する許可の条件
旅館業を営む者に対する風俗営業の許可をする場合における条件の付与については、6を参照すること。
(2) 未成年者が相続して許可を承継した場合における条件
18歳未満の者が風俗営業を相続して当該許可を承継した場合における条件の付与については、第13を参照すること。 |
【第13】
第13 風俗営業に係る相続について(法第7条関係)
1 相続人
法第7条の「相続人」は、民法(明治29年法律第38号)第5編第2章に規定する相続人を意味し、内縁の配偶者や被相続人と特別の縁故関係があった者(民法第958条の3参照)を含まない。
また、遺贈による受遺者(民法第964条参照)は、包括受遺者(民法第990条参照)の場合であっても、民法第5編第2章に規定する相続人に当たらない限りは、「相続人」には含まれない。
相続人が、複数ある場合には、被相続人の遺言の有無等にかかわらず、申請人以外の相続人全ての同意書を相続承認申請書に添付することを要する(施行規則第13条第2項第5号)。
2 未成年者の相続
18歳未満の者が相続の承認を受けて風俗営業者の地位を承継した場合においては、当該18歳未満の者が客の接待をしてはならないという条件を付することとする。
3 許可証の書換え
相続の承認を受けて風俗営業者の地位を承継した相続人は、承認後遅滞なく、被相続人が交付を受けた許可証を許可証書換え申請書と共に公安委員会に提出し、許可証の書換えを受けなければならない(法第7条第5項及び施行規則第17条)。
なお、この場合における書換え申請手数料は、既に相続承認申請手数料の中に算入されているので、改めて徴収することはできない。 |
(3) 営業所が営業制限地域に近接して存在する場合における条件
営業制限地域への風俗営業の営業所の拡張が行われることにより、法が営業制限地域については特に良好な風俗環境の保全を図っていることの趣旨が損われることのないようにするため、風俗営業の営業所が営業制限地域に近接して存在する場合(許可後において営業制限地域に近接して存在することとなった場合を含む。)においては、当該営業制限地域を特定した上で、当該営業制限地域内に営業所の拡張を行ってはならない旨の条件を付することとする。
(4) 許可後において営業所が営業制限地域内に存在することとなった場合における条件
許可をした場合において風俗営業の営業所が営業制限地域内に存在することとなった場合において、都道府県の判断により、当該営業所の拡張について必要な条件を付することとするほか、地域の実情及び個別具体的な状況に応じ、必要な条件を付するものとする(例えば、ゲームセンター等(法第2条第1項5号の営業)の許可をした後に当該ゲームセンター等の至近距離に学校ができた場合において、窓ガラスをすりガラスにするなどにより当該学校から営業所の内部を見通すことを遮ることができる設備を設けることという内容の条件を付することが考えられる。)。
6 旅館業を営む者に対する風俗営業の許可
旅館業を営む者が旅館業の施設の一部において常態として接待飲食等営業を営もうとする場合における風俗営業の許可は、接待飲食等営業の用に供する旅館業の一部を特定し、必要に応じ条件を付するなどして行うことができる。例えば、旅館の施設である宴会場について法第2条第1項1号の営業の許可をする場合においては、客室で客の接待をしないこと及び許可の対象となる宴会場と客室とは明確に区分された構造とすることという内容の条件を付することが考えられる。
7 許可の基準
(1) 法第4条第1項第2号に規定する「刑に処せられ」とは、刑の言渡しに係る裁判が確定することをいう。
(2) 法第4条第1項第2号に該当する者は、次のとおりである。
@ 刑の言渡しに係る裁判が確定したが刑の執行がなされていない者(執行猶予中の者を含む。)
A 刑の執行中である者
B 刑の執行を終わったが終了の日から起算して5年を経過しない者
C 刑の言渡しに係る裁判が確定した後に刑の執行を受けることがなくなったが、その日から起算して5年を経過しない者
(3) 法第4条第1項第2号に規定する罪を犯して刑に処せられた者でその刑の執行を猶予され、猶予の期間を経過した者については、刑法(明治40年法律第45号)第27条の規定により刑の言渡し自体が効力を失うことから、同号に掲げる者に当たらない。
(4) 法第4条第1項第2号に規定する罪を犯して刑に処せられた者で大赦又は特赦により刑の言渡しの効力が失われたものについては、同号に掲げる者には当たらない。 |