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○中野明君
そこで、今お話に出てまいりました「善良の風俗」という表現あるいは「清浄な風俗環境」、こういう表現があるわけでですが、これは非常に抽象的でなかなか難しい表現になっておるわけなんですが、これは以前からそういう表現が使われているようですけれども、この「善良」ということの基準というものが、非常にだれでもわかるような基準が立てにくいじゃないかというような気がするんですが、具体的にやはり何らかの基準がなかったら、取り締まる側の人も取り締まられる方も困るのではないかという気がするんですが、しかしながら、「善良の風俗」という概念というか、この考え方といういうのは、人の価値観というのは年がたつにつれてだんだん変わってくるわけですわね。我々が子供のころの善良な風俗観と、現在の我々の息子あるいは孫の人たちと話をしてみると、とてもじゃないがおやじは頭がかたいとか古いとかいうようなことでして、ときどき笑われることもあるぐらいに「善良の風俗」という風俗そのものの定義がも問題になってくるわけですが、価値観というものが確かに変わっていくように思うんです。ですから、これからもまた変わっていくかもしれません。
そういうことになりますと、現時点でとらえるしかないのかもしれませんが、この「善良の風俗」というのはどういう状態をお考えになっているのかを参考までに聞いておきたいのです。
○政府委員(鈴木良一君)
風俗という言葉も多岐多様だと思います。ただ、私どもが風俗営業法の関係の法律で取り扱っておりますものは、世上一般に非常に広い意味の風俗ということではなくて、あくまでも飲む打つ買うと申しますか、そういう言葉に代表される人間の欲望についての生活関係というものを規制するのがこの法律であるというふうに考えておるわけでございます。
そうしますと、おのずとそれは絞られてくるということになると思います。いわゆる「善良の風俗」というのは、そういう風俗が国民の健全な道義的観念によって支えられている状態、それが「善良の風俗」であろうと思いますし、その「善良の風俗」を害する行為というのは、やはりそういうふうな国民の健全な道義的観念に支えられない状態をいうことになりますから、しかも先ほど言いましたように、いわゆる人間の欲望をこの法律で取り上げておるという考え方になりますので、したがって「善良の風俗」を害する行為というのは、具体的に言いますと、やはり売春、わいせつあるいは賭博、あるいはこれらの行為に通常結びつくようなそういう蓋然性の高い行為、そういうものが「善良の風俗」を害する行為であるというふうに考えられるわけでございます。
こういうものはやはり一般通常人の判断をもって決めていくことになるわけでございます。判断の基準になるわけでございますけれども、これを運用する場合には、例えば行政処分等にいたしますと、公安委員会等の諸先生方は当然のことながら良識を持ち、高い見識をお持ちの方々が公安委員の先生方に任命されておるわけでございます。そういう方々が、一般通常人のとしての判断がどこにあるか、あるいは判例の傾向というものがどこにあるかということを頭に置きながら、先ほど言いましたように、どっちかというと限定された考え方「善良の風俗」を害する行為ということをあわせて検討するということになるんであると、かように考えております。 |
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質問者の発言 |
答弁者(政府委員)の発言 |
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